こんにちは、ちょこふあです。
今年はじめて、「紫陽花の挿し木」に挑戦してみました。
半分は無事に根が出てくれましたが、半分は残念ながら失敗…。
「どうして枝から根が出るものと出ないものがあるのだろう?」と不思議に思い、その理由を調べてみることにしました。
科学的な仕組みを知ることで、来年はもっと成功率を高められるかもしれません。
今回はその学びと、挿し木を成功させるためのコツをまとめてみます🌿
今年無事に発根してくれた紫陽花です


↓この子は発根が少しありますが、1ヶ月以上経っているのでこの先は難しいかもです。

紫陽花の枝から根が出る理由とは?
植物には「不定根(ふていこん)」という、茎や葉など本来の根ではない部分から新しく根を作り出す仕組みがあります。
紫陽花は特にこの不定根を出しやすい植物です。
切った枝を水や土に挿すと、節の部分から新しい根を伸ばす準備を始めます。
このとき大きな役割を果たしているのが 植物ホルモンのオーキシン。
オーキシンは「根を発生させなさい」という指令を出す働きを持ち、切り口の刺激によって分泌が活発になるのです。
つまり、「枝を切られる」という出来事をきっかけに、植物は生き延びようとする力を発揮し、根を作ろうとします。
この現象は、植物が持つ驚くべき生命力の表れです。この力を最大限に引き出して、挿し木を成功させるための秘訣を、3つのポイントに絞ってご紹介します。

挿し木を成功させるためのポイント
紫陽花が発根する環境とは。
成功率を高めるための基本のコツをまとめてみました。
挿し木のコツ
- 節の下でカットする
根は節から出やすいため、必ず節のすぐ下で切ります。 - 余分な葉は取り除く
葉が多いと水分が蒸発してしまいます。残すのは2枚ほどで十分です。 - 清潔なハサミを使う
切り口から雑菌が入らないように、きれいな道具でスパッと切ることが大切です。 - 半日陰の場所に置く
強い直射日光はNG。風通しが良く涼しい場所で管理すると根が出やすくなります。 - 発根促進剤を使うのもおすすめ
市販の「ルートン」などを切り口に付けると、根が出るスピードが早まります。
挿し木失敗の主な原因
挿し木が失敗してしまう原因としては、植物が発根するための環境が整っていないから…
- 挿し穂の準備が不十分: 葉を多く残しすぎると、蒸散によって挿し穂の水分が失われ、枯れてしまいます。また、切り口が清潔でないと、病原菌が侵入し、腐敗の原因になります。
- 挿し木の時期が悪い: 植物には、挿し木に適した時期があります。時期を外すと、枝が乾燥しやすかったり、発根の力が弱かったりします。
- 管理環境が悪い: 強い直射日光が当たったり、土が乾きすぎたりすると、挿し穂が枯れてしまいます。また、土が常に湿りすぎていると、酸素不足や病原菌の繁殖により、根が腐ってしまいます。
これらの原因を一つずつ見直すことで、成功率を大きく上げることができます
我が家の挿し木の発根しなかった原因に思い当たりがありすぎる…ので、来年は気をつけたいです。
挿し木に使う土はどれが良い?
挿し木の成功は「土選び」にも左右されます。紫陽花の挿し木に向いている土を比べてみます。
赤玉土(小粒)
赤玉土は肥料成分を全く含んでいないため、栄養分をエサとする菌や虫が繁殖しにくく、発根を阻害する「肥料過多」を防ぐことができます。
✅ メリット:
- 水はけが良く、根が強く張る
- バランスが良い: 保水性、排水性、保肥性のバランスが取れており、多くの植物に幅広く使えます。
- 弱酸性: 多くの植物が好む弱酸性のため、pH調整の必要がほとんどありません。
- 粒の大きさで調整可能: 細粒、小粒、中粒などがあり、粒の大きさによって水はけや水持ちを調整できます。
❌ デメリット:
- 粒が崩れやすい: 水やりを繰り返すうちに粒が崩れ、通気性や排水性が悪くなることがあります。
- 乾燥すると固くなる: 表面が固くなり、水が染み込みにくくなることがあります。
バーミキュライト「挿し木向き」
発根までの「ベッド」としてはとても優秀です。
ただし養分がほとんどないため、根が出たら必ず元肥入りの培養土や庭土に植え替えが必要。
✅ メリット:
- 無菌・清潔: 高温で焼成されているため、病原菌や雑菌が少なく、挿し穂が腐敗するのを防ぎます。
- 高い保水性と通気性の両立: 多孔質で水分をしっかり保持しながら、適度な空気も含むため、根腐れのリスクを減らし、発根に最適な環境を作ります。
- 軽量: 非常に軽いため、根がデリケートな発根初期でも根を傷つけにくく、扱いやすいです。
❌ デメリット:
- 肥料分がない: 無機質で植物の生長に必要な栄養分は含まれていません。根が出た後は、栄養のある土に植え替えが必要です。
鹿沼土(細粒)
鹿沼土は肥料分をほとんど含まないため、カビや雑菌の発生を抑え、挿し木が傷つくのを防ぎます
✅ メリット:
- 高い排水性と通気性: 軽石が主成分のため、水はけが非常に良く、通気性に優れています。根が呼吸しやすく、根腐れを防ぎます。
- 粒が崩れにくい: 粒がしっかりしており、長期間にわたって通気性を維持しやすいです。
- 酸性: ツツジやブルーベリーなど、酸性土壌を好む植物の挿し木に適しています。
❌ デメリット:
- 水持ちが悪い: 水はけが良い反面、保水性が低いため、水切れに注意が必要です。
- 強い酸性: 紫陽花のように酸性を好む植物には向いていますが、多くの植物はpH調整が必要です。
挿し木・さし芽用の培養土
挿し木に特化しているので、扱いやすく失敗が少ない。
✅ メリット:
- 挿し木に特化した配合: 挿し木・さし芽用の培養土は、発根を促すために必要な要素がバランスよく配合されています。具体的には、肥料分を含まず、水はけ・水持ち・通気性のバランスが優れているものが多いです。
- 清潔で衛生的: 無菌に近い状態で製造されているため、挿し穂が病原菌に侵されるリスクが低く、発根率を高めます。
- 手軽さ: 赤玉土や鹿沼土などを自分で配合する手間がなく、袋を開けてすぐに使える手軽さが大きなメリットです。
❌ デメリット:
- 肥料分がない: メリットでもありますが、植物が根付いて成長を始める際に必要な栄養分が含まれていません。そのため、発根後は速やかに肥料入りの培養土に植え替える「鉢上げ」が必要になります。
- 汎用性の低さ: 挿し木・さし芽に特化しているため、その後の成長には適さない場合が多く、植え替えのひと手間が発生します。
紫陽花の挿し木に最適な時期は?
挿し木のタイミングについては「春の3月がいい」という声もあれば、「梅雨の6月がベスト」という意見もあります。実際には、どちらの時期にも理由があります。
🌱 3月(休眠期〜芽吹き前)の挿し木
紫陽花は冬の間、葉を落として休眠しています。3月頃はちょうど芽吹きの準備をしている時期で、枝に栄養がたっぷり蓄えられています。
このタイミングで挿し木をすると、芽吹きと同時に根も伸びやすいのがメリットです。気温もまだ低めなので、枝が乾燥しにくいのも良い点です。
- 冬に休眠していた紫陽花が芽吹き始める時期。
- 新しい芽や枝にエネルギーが集まっているので、発根しやすい。
- 気温が安定してくるので管理しやすい。
👉 メリット:春に挿せば、その年のうちにある程度育つ。
👉 デメリット:まだ寒さが戻ることがあり、遅霜で枯れることもある。
🌧 (6月〜7月)(梅雨時期)の挿し木
一方で、最も一般的にすすめられるのが6月の梅雨の時期。気温が20℃前後と安定し、湿度も高いため、枝が乾燥しにくく発根がとてもスムーズに進みます。
また、ちょうど花が咲いた後の枝を利用できるので、挿し木の材料も手に入りやすいという利点があります。
- 紫陽花の花が咲き終わり、新しい枝が充実してくる時期。
- 植物の生育が最も盛んな時期で、発根スピードが速い。
- 温度と湿度が高いため、不定根が出やすい。
👉 メリット:成功率が最も高い。初心者にもおすすめ。
👉 デメリット:夏の強い日差しと蒸れに注意が必要。
秋(9月)の挿し木
- 気温が落ち着き、日差しもやわらぐ。
- 発根はするが、寒さが来る前に根が十分に育たないと冬越しが難しい。
👉 メリット:穏やかな気候で管理がしやすい。
👉 デメリット:冬越しできず枯れるリスクあり。
✨ 結論:成功率を高めたいなら「6月」がおすすめ
3月でも可能ですが、挿し木の初心者さんや確実に根を出したい場合には「梅雨どきの6月」が良い
- もっともおすすめなのは「6月の梅雨時期」。湿度が高く、気温も安定していて成功率が高い。
- 3月の春先も可能ですが、寒さ対策が必要。ガーデニングに慣れている方に向く。
- 秋は条件付きでできるが、初心者は避けた方が無難。
まとめ
紫陽花の枝から根が出るのは、植物ホルモンの働きと不定根をつくる自然の仕組みのおかげです。
成功させるためには、節の下でカット、余分な葉を落とす、清潔な土に挿すことが大切。
また、枝の選定は私が今年挿し木で成功したのは、「茎が少し太くて元気な枝」でした。
6月の「ぐんぐん新芽がでる元気な時期」だったのも良かったと思います。
特に土は、今年は赤玉だけでしたが、来年はバーミキュライトや鹿沼土など清潔で通気性の良いもので挿し木をしてみようと思っています。
小さな枝から新しい命が育つ瞬間は、ガーデニングの大きな喜びのひとつ。
科学の仕組みを知って工夫すれば、きっと来年はもっと多くの紫陽花が根付いてくれるはず(*´꒳`*)」
来年の挿し木が楽しみです🌱
以上です。
次回は「紫陽花の挿し木の鉢上げについて」を書こうかなと思っています
また見ていただけたら嬉しいです。
本日もご訪問
ありがとうございました
皆さまも素敵な1日をお過ごしください
U・ᴥ・U